
検索エンジンである、DuckDuckGo(ダックダックゴー)が1日に3,000万件の検索クエリを達成した。
Googleの検索クエリ数は月間30億以上(2015年)というデータもあり、100倍の開きがあるものの、DuckDuckGoがここ数年で利用者を伸ばしている。
そのため、今回はDuckDuckGoの仕組みについて詳しく説明していく。
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【目次】
DuckDuckGo(DDG)とは?特徴
DuckDuckGo(DDG)とは、もちろん、(Googleと同じ)検索エンジンであり、利用した検索ユーザーの個人情報(プライバシー)を重視した検索エンジンという特徴がある。
なぜ、DuckDuckGoは、利用した検索ユーザーの個人情報を重視するのかというと、Googleが個人情報を取得しているからだ。
Googleは検索する毎に利用ユーザーから入力されたクエリ(キーワード)を記憶し、ユーザー毎に最適化された広告配信に活用されている。
もちろん、日本での検索上位3サイトである、Amazon、楽天なども例外ではない。Googleなどの検索エンジンは、無料で利用できる半面、その見返りとして利用ユーザーは情報を提供していることになる。
そこに、焦点を当てているのがDuckDuckGoだ。
DuckDuckGoは個人情報を取得しない
DuckDuckGoは、無料で利用することが出来る検索エンジンでありながら、一切、利用したユーザーの個人情報や検索履歴を記録・保存しない仕組みとなっている。
そのため、
- 利用ユーザーの個人情報を記録しない
(IPアドレスの保存をしない) - ユーザーの検索履歴を保存しない
(つまり、クッキー(Cookie)を利用しない) - 企業側のサーバーでも記録しない
などの特徴を持っている。
そのため、個人情報を売り渡すことなく、検索履歴を秘密に出来ることになる。
DuckDuckGoの検索機能
DuckDuckGoの検索機能は、
- Yahoo! Search BOSS
- Wikipedia(ウィキペディア)
- Wolfram Alpha
- Bing
- DuckDuckGoのウェブクローラー(DuckDuckGoBot)
などから検索する情報を集約し、表示している。
創業者は、「Googleの検索インデックスで上位にランクインしたいだけで作成されている低クオリティなコンテンツもある」とGoogle検索に対しては意見を述べている。
なぜDuckDuckGoは需要を伸ばしているのか?
DuckDuckGoはなぜ、近年需要を伸ばしているのか、それは各国の「プライバシー規制」によるものが強いのではないかと考えている。
- ヨーロッパ:General Data Protection Regulation(GDPR、EU一般データ保護規則)
- アメリカ:プライバシー規制の法案化の検討
などが行われているためだ。
特に、GDPRでは、EU以外への個人情報の輸出も対象としており、
市民と居住者が自分の個人データをコントロールする権利を取り戻すこと、および、欧州連合域内の規則を統合することで、国際的なビジネスのための規制環境を簡潔にすること。(Wikipedia参照)
などを目的としている。
個人情報を保護する観点で、今後DuckDuckGoの需要はさらに伸びていくのではないだろうか。
Google検索との違いを検証
Google検索との違いの検証を2018年10月15日、日本の上位表示キーワードから、一部検証してみる。(Googleトレンドより)
検証した結果としては、
- トレンドの検索やニュースには「DuckDuckGo」は現在対応しきれていない
- DuckDuckGoとGoogleの検索表示順位には、違いがある
- DuckDuckGoはシンプルで見やすい
- DuckDuckGoは調べものには最適かもしれない
などの結果となった。
キーワード1.「徳重聡」個人名
(ドラマ下町ロケットの影響で検索上昇)
Google検索
1位 | Wikipedia(DDG1位) |
カルーセル | トップニュースが表示 |
2位 | 石原プロモーション公式サイト(DDG4位) |
3位 | スポニチのニュース(DDG5位) |
4位 | ライブドアニュース(DDG10位以下) |
5位 | 個人ブログ(DDG10位以下) |
DuckDuckGo検索
個人名を検索した場合に、Wikipediaの情報を利用していることが分かる。
1位 | Wikipedia(G1位) |
2位 | ORICONのニュース(G10位以下) |
3位 | 個人のブログ(G10位以下) |
4位 | 石原プロモーション公式サイト(G2位) |
5位 | スポニチのニュース(G3位) |
DuckDuckGoで検索すると、Google検索で10位以下のウェブページが2位と3位に入っていることが分かる。
キーワード2.「日経平均」
(ここ数日で日経平均が大きく変動)
Google検索
チャート | 日経平均株価 |
カルーセル | トップニュース |
1位 | Yahoo!ファイナンス(DDG1位) |
2位 | 東洋経済のニュース(DDG10位以下) |
3位 | 日経平均リアルタイムチャート(DDG2位) |
4位 | 日本経済新聞のニュース(DDG10位以下) |
5位 | 日本経済新聞のニュース(DDG10位以下) |
Google検索では、コンテンツの表示が、スマホ・PCでほぼ見えない状態にある。
DuckDuckGo検索
1位 | Yahoo!ファイナンス(G1位) |
2位 | 日経平均リアルタイムチャート(G3位) |
3位 | 日経電子版 株価(G10位以下) |
4位 | 日経電子版 マーケット(G10位以下) |
5位 | Kabutan 株式チャート(G10位以下) |
Googleで「日経平均」の検索ではニュースが中心だったが、DuckDuckGoでは平均株価を中心に上位5位には3つGoogleにはランキングされていないウェブページがランクインしている。
キーワード3.「育児休業」
(増えない男性の育休が話題に)
Google検索
1位 | Wikipedia(DDG2位) |
2位 | 育MEN(イクメンプロジェクト)(DDG10位以下) |
3位 | 女性にやさしい職場づくりナビ(厚生労働省)(DDG10位以下) |
4位 | BizHiNT(ビズリーチ)(DDG10位以下) |
5位 | 産休・育休自動計算ツール(DDG10位以下) |
検索ページが大きく異なったキーワードだ。(制作中にマイナビニュースがトップに表示された・・・)
DuckDuckGo検索
1位 | 育児・介護休業法について(厚生労働省 公式ページ)(G10位以下) |
2位 | Wikipedia(G1位)(G10位以下) |
3位 | こそだてハック(個人ブログ)(G10位以下) |
4位 | コトバンク(G10位以下) |
5位 | ハローワーク(G10位以下) |
検索がGoogleと大きく異なる結果となった。個人的にはDuckDuckGoで検索した方が、ほしい情報であった。
まとめ
もし、このままの推移で利用ユーザーが上昇したと場合、5年後には1億クエリを突破する(もっと増えそうだが・・・)。GoogleとDuckDuckGoのSEO対策を考えなければならない時代が来るかもしれない。
DuckDuckGoは、ユーザーからの「検索クエリ」などのデータを取得できないため、上位表示を考えるキーワードが難しくなりそうだ。
また、Bingの検索エンジンも利用しているため、両方の対策が必要となる。
現在、行っておいていただきたいBingのSEO対策としては、Bingウェブマスターツールに登録はしておいてほしい。(詳細は『Bingウェブマスターツールの使い方「自分のサイトの設定」』から)
個人的には、Googleと競合することで、市場はより面白くなるのではないかと考えているため、DuckDuckGoも合わせて応援したい。
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